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24歳サラリーマンが、挑戦を続ける人たちの『イケてる』人生を掘り下げ、伝える、インタビューブログです。

-BAR経営者・山根大輝-


-BAR経営・山根大輝-

小学1年からソフトボールを初め中学から野球。当時は「自分が一番上手い」と思っていて自信満々で名門の大阪桐蔭に進みましたが、同学年のプレーのレベルの高さに驚きました。「レギュラーになるのは難しいんじゃないか...」。今まで味わったことのない感覚でした。ただ、入部した以上は諦めるわけにはいかない。「このまま終わっていいのか」と自分に言い聞かせてベンチメンバーに入ることを目標にしました。


山根 大輝(やまね だいき)/1993年生まれ。人材派遣会社を半年で退社し、フリーの営業や、バーでのバイトを経て、大阪・北新地でバー『ROI(ロワ)』を共同経営。


その時に心の扉みたいなのが開きましたね。それまでは人の意見を取り入れたりしなかったのですが本気で人の事を考えるようになったし、相手の気持ちを読んだり、「このチームで何を求められているのか」と考えるようになりました。レベルの高いメンバーの中でチームに必要な人間にならないといけない。「何ができるか」を考えて行き着いたのが「声」でした。

キャッチャーだったのでブルペンで誰よりも声を出し、ピッチャーのことを研究して。当時は藤浪(晋太郎 現・阪神タイガース)を始めすごい投手がたくさんいたなかで信頼を得るために努力しました。結果、2年秋には目標のベンチ入りができ、翌春の近畿大会ではホームランを打てた。最後の夏は甲子園に行けなかったけどあの時の経験は間違いなく人生にいきています。



-本当にやりたいことは?-

同じく野球部に所属した大学時代。当時から、「経営者になりたい」「独立したい」という思いはあったのですがとりあえず周りと同じように就職活動をしました。保険、不動産、銀行などの大手企業から内定を頂いたきましたが、結局、入社したのは人材系。就活中に相談を受けてくれていた社長さんの会社でした。

人事系の部署に配属されて東京本社勤務。数百人規模の入社式で代表挨拶もさせてもらって、当時はすごくヤル気でしたね。その後、名古屋転勤を経験するのですが、日が経つに連れて「これでいいのかな?」と思うようになりました。お金、時間。自分が本当にしたい生活じゃないな、と感じるようになりました。


大学時代から、「一緒にやりたいな」と話していた将伍という友人がいました。将伍も当時は大阪勤務のサラリーマン。お互い働きながら将来について話し合っているうちに「飲食系がしたい!」と意見が一致しました。そうなると、仕事に手がつかなくなります。「このまま続ける意味はないかな」と思い、すぐに上司に辞める意思を伝えました。全力で止められましたが決めたら曲げない性格。腹は決まっていました。


当然、家族にも反対されます。特に親父にはめちゃめちゃ言われましたけど、ブレない思いを伝えていくうちに「こいつ、本気やな」と思ってくれた。外資系企業で活躍している親戚には「どういう理由で飲食なんや」とか、「その後はどうするんや」とかこと細かく聞かれましたけど振り切りました。一度決めたら曲げない。心の中で「黙っとけ」って思ってましたね(笑)。そのまま退社し、自分たちの店を持つための活動を始めます。



-ROI-

「飲食がしたい!」と思って簡単に店が手に入るわけがない。大阪でいろんな人に話を聞いて回りました。そんななか「うちの会社の商品、営業したら?」と言ってくれる人がいたんです。目標は飲食だけど初期費用は必要ですから「お金を作るためなら」と思って始めました。けど、すぐに気付きます。「飲食系で独立したいのに、営業?」「何か違くないか?」って。


昼は営業で働きつつ、夜は2つのバーでバイトする生活をはじめました。そのうちの1つが後に経営することになる「ROI(ロワ)」です。夜の業界で出会う色々な人に「独立したいんです!」という話をしていると「〇〇で店舗が空くからそこでやってみない?」みたいな話がいっぱいあるんですが、「雇われ店長」のような話が多くて。自分の力でやりたいのにそれは違うかな、と。どうやって独立しようかとばかり考えていました。


思ってもないチャンスでした。「ROI(ロワ)」のマスターが辞めることになっただけでなく、本来、引き継ぐ予定だった人の都合が付かなくなって「お前、やりたいんちゃうんか?」と言ってもらったんです。お客さんを呼ぶ力を評価してくれていたみたいてで、「お前ならできる」と言ってくれたので即決しました。その話をすぐに友人の将伍に話して「一緒にやるぞ!」と。社会人2年目になる17年の4月。ついに、自分たちの店をオープンすることができました。

自分の店を持って感じているのは人の暖かさです。友達が来てくれることはもちろん、知り合いを紹介してくれるんです。見返りはないはずなのに。その時に「やって良かった!」と心の底から思いますね。特に、サラリーマン時代の同僚や上司の人が来てくれることもあって、本当に最高です。あとは、お金の面もそうですし、時間も自由に使えようになりました。これからはもっともっとお客さんに来てもらい、楽しんでもらうために、「忘れられない存在」になりたいと思っています。


これから先、どう展開していくか。それはまだ描けていないのが本音です。叶えられそうな範囲では、もう1店舗出したり、ご飯屋さんわ出したりと、その辺りまではイメージできます。その先は正直わからない。ネットなのか、投資なのか、いろいろ興味はあるけど最終的に「こうなっていたい!」というのはまだ不透明です。ただ、1つ言えることはお金は稼がないといけないということ。「お金、お金」と言ってアレですけど....。でも、周りの人を幸せにしたりチャレンジするには必要ですから。




-メッセージ-

誰しも「こんなことがしたい!」という気持ちはあるけど周りの人に反対されて諦める人が多い。ただ、成功している経営者を見ても、はじめは反対されてきた人が圧倒的に多いです。いかに一歩目を踏み出せるかが大事。行動しないのは言い訳だと思っています。例えば「結婚してるから」とか「子供がいるから」とか言う人がいるけど、それすら言い訳と思う。本気でやりたいなら何かを捨ててでもやるべきだし、正解は誰にも分からない。やりたい!と思った時に、すぐ行動することが大事だと思います。

(終わり)

取材・構成:巻木 周平(マキギ)