イケてる.com

24歳サラリーマンが、挑戦を続ける人たちの『イケてる』人生を掘り下げ、伝える、インタビューブログです。

-金融機関営業マン・山田直-


-金融機関営業マン・山田直-

静岡・浜松商業でセンバツ甲子園優勝。現在は浜松湖南高校野球部監督。そんな父親ですから野球をやるのは生まれる前から決まっていました。父が監督として甲子園出場した時には、アルプススタンドで『監督の息子さんです!!』とインタビューを受けたこともあります。そんな幼少期を過ごしたあと、小学1年から野球人生をスタートさせました。


山田直(やまだ あたる)/1994年生まれ。株式会社イコールワン/甲子園出場⇨名門大学レギュラーと王道路線を歩みながら「野球で終わりたくない」との思いで就職活動に専念し、現職。


-プロになれないのなら...-

父の高校ではなく「静岡高校」に進み、高校2年夏に甲子園の土を踏むことができました。が、全国レベルの選手を間近で見たことで「プロは無理かな...」と感じるようになったんです。現実を痛感して自信も少し失いました。それでも大学までは続けようと思い、「中央大学」へ。高校時代の先輩が在籍していたことと甲子園のスターや、プロ注目選手が多いのも知っていたので、そのレベルで勝負してみたいと思い、進学を決めました。

1年時から試合に出られて2年秋からレギュラーになり、最高学年になった3年の秋。大学野球はこの時期に野球専念組と就職活動組に分かれるのですが、僕は副キャプテンで試合に出られる状況にも関わらず、就職活動を選びました。プロ野球選手になれないことは分かっていて、その世界で1番上のステージに立てないのにこのまま続けても意味が無い、と思ったんです。人生は人それぞれ。僕の場合、ユニフォームを脱いでも社会人として輝くために就職活動に全力を注ぐべきと考えたんです。チームに迷惑をかけてしまうという思いは当然、ありましたが、就活をスタートさせました。



-活路はSNSにあり-

「スケールの大きな仕事で野球に携わりたい」。目標を立てて臨みましたが簡単にいくはずもなく、第一志望に落ちてしまいます。他にも採用過程だった企業が数社ありましたが、「本当に行きたい会社か?」と問われたら即答できる状態じゃなかったから途中で断りました。周囲は内定が決まり始めている時期ですから焦りはありました。それでも、「何か違うな..」と。


道を開いてくれたのはSNSです。進路に悩む学生向けに「相談があれば、誰でも会います」と発信している人がいた。焦っていた僕はすぐに数人にダイレクトメッセージを送りました。経営者やコンサルタント、いろんな方に相談した結果、口を揃えるのが「本当にやりたいことをやりなよ」。「周りに合わせて無理やり就職する必要はないよ」といった言葉。ハッとしました。それまで考えていた仕事は心から「やりたい!』と思えることじゃなかったんです。


2月に転機が訪れました。コンサルタントとして独立している方に相談するため連絡すると、「明日の朝空いてる?」と言われたので翌朝8時に青山のスタバで待ち合わせして、「働かせてください」と言いました。時期も時期だから相当焦っていました。その方の仕事ぶりや人間性に憧れていたことがあっての行動でした。ただ、返答は「会わせたい人がいる」。そういって紹介していただいたのが、いま、僕が務める「イコールワン」の安田社長でした。




-「働かせてください!」-

安田社長は外資系保険会社から独立して、「イコールワン」を創業した人。早速、連絡すると「本日の夜。または、明後日から沖縄に行くので、どちらかで時間取ります。2つとも無理なら、来週以降で日程を合わせましょう」と。沖縄!?と思いましたが、「今日も明後日からの沖縄も、どっちも会ってください!」と言ったんです。今思えばぶっ飛んでますけど(笑)。おもしろい!と思ってくれたみたいで。その夜に初めてお会いして金融業界についての話を聞きました。感想は、「この人はすごい」。


本能的にそう感じたんです。大手企業で結果を残しても満足せずに起業して活躍している。しかも当時の安田社長は28歳。「俺もこの年齢の時にはこんな人間になっていたい」と心から思ったんですね。その後の沖縄というのはプロ野球のキャンプ地訪問で、選手が安田社長のお客さん。そこで、本来思っていた「野球に携わりたい」という夢にも一致することに気が付いたんです。そして、沖縄最終日。忘れもしない2月12日です。安田社長と2人でカレー屋に行った際、僕から切り出しました。

「一緒に働かせてください!」
「覚悟、できてる?」
「はい!」
「じゃあ、がんばろうぜ」

これで入社決定です(笑)。正直イコールワンがどんな会社かは詳しく理解していなかった。でも安田社長は大手企業で活躍していた現状に満足することなく、「もっと良いモノを作れる」との思いでゼロから会社を立ち上げた。それが何よりかっこ良かった。


また、歩合制の企業ですから努力と結果に応じた評価を得られることにも魅力に感じた。迷いはなかったですね。イコールワンは新卒採用なし。金融業をはじめ営業職で結果を出してきた人が大半で、飛び込んでいくのは怖かった。でも、「リスクを取らないことがリスク」って言葉を信じていて、「死ぬことはないだろう」と思い挑戦しました。


大学野球の経験も大きかったと思います。高校に比べれば自由な環境で、練習するもしないも自分次第だったんです。そこで痛感したのは「やってもやらなくても良い環境では自分は頑張れない」ということ。試合にも出たし、さぼっていた訳ではない。でも、限界まで自分を追い込んだかと聞かれたらそうじゃない。だから、社会人というステージでは、自分のケツを叩かないと生きていけない環境に身を投じよう!と思ったんです。



-「寝てる」or「働いてる」-

1ヶ月の研修期間で金融知識から商談まで、全てを叩き込みました。休みなんかありません。当時は働いてるか寝てるかのどちらかでしたね。教わって印象的だったのは、『わからないことを、〝わかりません〟と言えるのは素晴らしい』ということ。


分からないまま放っていた僕に対して「謙虚じゃないね」と言う先輩がいました。「そのままにしておくのは謙虚じゃない。傲慢だ」と。知らない世界だから分からないのは当たり前で、恥でもなんでもない。そうやって学んでいくんだと実感しました。金融の営業マンとしてのスキル、考え方を詰め込み、5月にいよいよ現場デビューです。

1人目のお客さんはマスコミで働いている高校時代の野球部の同期でした。初めての商談は下手だし、テンパるし、ドタバタだったんですが、「直だから任せるよ」と言ってくれた。初めての成功体験ですし、何よりその気持ちが嬉しくて嬉しくて、一生忘れられません。プロ野球選手や競輪選手も担当させて頂いており、そういった方々と接することができるのも魅力的です。何かに没頭している人と話すのはやっぱり楽しい。


目が輝いていて、愚痴なんか絶対に言わないし、自分の職業に誇りを持っている。刺激をもらえるし、学びにもなります。金融業界は、悪いイメージを持っている人が多い。不誠実で、実際に騙されている人もいるんですね。そんな業界を変えるための「イコールワン」。保険、証券、不動産といった商品をお客様に合わせて提案できる「ファイナンシャルプラットフォーム」です。


僕の場合、商談の際にはまずその事実を分かってもらい、自分を理解してもらうことから始めます。その上で、2回目お会いしていただければ、サービスを提案する形です。実績を重ねていき、たくさんの人の人生の「思い出」に現れたい。あの時、山田さんがこう言ってくれたからこうなれた、と。感謝される存在になりたいです。



-ビジネス界の阿部慎之助に-

出身の中央大学野球部はプロ野球選手が多く、僕の現役時代にはグラウンドに来られる機会がありました。オーラバリバリの人とたくさんお会いして、「こんな人間になりたい!」と思っていたんです。特にジャイアンツの阿部慎之助さんが印象深く、歩いてるだけで周りがザワつくくらい規格外のオーラでした。僕は、ビジネス界でそういう人間になりたいんです。スーツ姿でグラウンドに来て阿部さんのようなオーラを放つ人は今までいなかったんじゃないかと。

だったら自分がなってやる、と思っています。野球に使ってきた情熱や力を全て仕事にぶつけて成果を上げる。野球選手じゃなくても偉大な人間になれるということを、結果で示したい。学生時代にスポーツをめちゃめちゃ頑張っていたのに就職すると会社の愚痴を言ったり、「月曜日嫌だなー」と言っている人が多く、仕事に対して良いイメージを持っている学生が少ないと感じます。だから僕が、そんな人たちに勇気を与えられるようなビジネスマンになりたい。




-メッセージ-

休日のために我慢して働くような仕事内容ならすぐに辞めた方が良い。本当にやりたいことに力を注いだ方が絶対に良いと思います。行動しないと何も分かりません。結局は、決断できるかできないか。決断の先には何かある。もし失敗してもまた挑戦することを探せば良いと思います。挑戦を続ければいつかは成功するだろうと。失敗しても死ぬわけではないですから。そこに怖さを抱いて嫌な仕事を続けるってのは、本当にもったいないと思いますよ。

(終わり)

取材・編集:巻木 周平(マキギ)